OBV(On Balance Volume)は1963年にジョー・グランビルが開発した出来高系インジケーターです。価格が前の足より上昇した日の出来高を足し、下落した日の出来高を引く累積値で構成されます。
OBVの核心的な考え方は「出来高は価格に先行する」というものです。価格が上がっていても出来高が伴っていなければ、そのトレンドは持続しにくい。価格がまだ動いていないのにOBVが先行して動き始めているなら、近いうちに価格も追いかけてくる可能性がある、という考え方です。
(初めてOBVを見たとき、数値の絶対値に意味はなくて、向きと勢いだけを見るというのが分かるまで少し時間がかかった)
FXではスポットFXに中央取引所がないためtick volumeが使われますが、主要通貨ペアではtick volumeと実出来高の相関が高く、OBVの傾向把握には使えます。
TradingViewで使えるOBVスクリプト
On Balance Volume Oscillator [LazyBear] — OBVをオシレーター化して読みやすく
☞ On Balance Volume Oscillator by LazyBear
通常のOBVは絶対値の累積線ですが、このスクリプトはOBVをオシレーター形式に変換して表示します。ゼロラインを基準に上下するため、トレンドの方向とダイバージェンスが視覚的に読みやすくなっています。TradingViewのOBVカテゴリで14,000超のブーストを集めています。

読み方と使い方
- ゼロラインより上:出来高が買い方向に優勢。価格の上昇を支える出来高がある状態
- ゼロラインより下:出来高が売り方向に優勢
- 価格が上昇しているのにOBVが下降:出来高が伴っていない上昇。ダイバージェンスとして弱気サイン
- 価格が下落しているのにOBVが上昇:下落に出来高が伴っていない。強気ダイバージェンス
- 価格のブレイクアウトと同時にOBVも上昇:出来高が確認されたブレイク。継続しやすい
他のスクリプトとの違い
通常のOBVは累積値が大きくなりすぎてスケールが読みにくいですが、オシレーター化することでゼロライン基準のシンプルな読み方ができます。価格チャートと並べてダイバージェンスを確認するのに使いやすい設計です。
CCI Coded OBV [LazyBear] — CCIで色分けしてトレンド状態を可視化
OBVにCCIの値を使った色分けを適用したスクリプトです。CCIが強気方向のときOBVを緑、弱気方向のとき赤で表示します。13期間のEMAもオーバーレイ表示されます。OBVのトレンドと現在のモメンタム状態を一度に確認できます。

読み方と使い方
- 緑のOBVが上昇:OBVが伸びており、かつCCIが強気を示している。出来高と価格モメンタムが一致している状態
- 赤のOBVが下降:OBVが下がり、CCIも弱気を示している。売り方向の圧力が強い
- OBVが13EMAを上抜け:出来高の短期的な強さがトレンドに転換するサイン
- 色が緑から赤に切り替わる:モメンタムの方向転換。ポジション管理の参考にできる
他のスクリプトとの違い
OBVとCCIを別々のパネルで確認するのではなく、OBVにCCIの状態を色で重ねることで1パネルで2つの情報を同時に把握できます。
OBV MACD Indicator — OBVにMACDアルゴリズムを適用
☞ OBV MACD Indicator by RafaelZioni
OBVにMACDのアルゴリズムを適用したハイブリッドインジケーターです。価格の変動量ではなく出来高の累積値にMACDを使うことで、出来高の流れのクロスとヒストグラムを表示します。

読み方と使い方
- OBV MACDラインがシグナルラインを上抜け:出来高の流れが強気方向に転換しつつある
- OBV MACDラインがシグナルラインを下抜け:出来高の流れが弱気方向に転換しつつある
- ヒストグラムの拡大:出来高の勢いが加速している
- ヒストグラムの縮小:出来高の勢いが弱まっている。トレンドの失速サイン
- 価格が高値を更新してもOBV MACDのヒストグラムが縮小:ダイバージェンス。買い出来高が弱まっている
他のスクリプトとの違い
OBVの生の値を見るのではなく、OBVの短期・長期の差(MACD)を見ることで、「今の出来高が過去の平均より多いか少ないか」の変化を捉えます。MACDに慣れているトレーダーなら直感的に読めます。
Trend Lines for RSI/CCI/Momentum/OBV — OBVにトレンドラインを自動描画
☞ Trend Lines for RSI/CCI/Momentum/OBV by LonesomeTheBlue
RSI・CCI・Momentum・OBVの4つのオシレーターに対してトレンドラインを自動描画するスクリプトです。OBVモードで使用すると、OBVの高値・安値を結んだトレンドラインが自動で引かれます。

読み方と使い方
- OBVが上昇トレンドラインを維持:出来高の流れが上向きを維持。価格も同方向に動きやすい
- OBVが上昇トレンドラインを割る:出来高の強さが失われた。価格への警戒サイン
- OBVのトレンドラインブレイクが価格より先行:出来高の方向転換が価格の方向転換を先読みしている可能性
- 価格がレンジでもOBVがトレンドラインを切り上げ:見えないところで買い出来高が蓄積されている可能性
他のスクリプトとの違い
目視でOBVにトレンドラインを引く手間を省いて自動化します。OBVのトレンドラインブレイクを「価格のブレイクアウト前の先行サイン」として使うアプローチが特徴です。
どのスクリプトを選ぶか
| こんな目的に | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| OBVのダイバージェンスを読みたい | OBV Oscillator | ゼロライン基準でダイバージェンスが見やすい |
| OBVとモメンタムを同時確認したい | CCI Coded OBV | CCIの色分けとEMAで1パネルに情報集約 |
| MACDの読み方を出来高に応用したい | OBV MACD | MACDに慣れているなら直感的に使える |
| OBVのトレンドラインブレイクを自動検出したい | Trend Lines for OBV | 手動でラインを引く手間を省ける |
OBVを使うときに知っておくこと
OBVの絶対値ではなく向きと勢いを見る
OBVの数値自体(1,000,000や-500,000など)に意味はありません。大切なのは「OBVが上向きか下向きか」「直近と比べて勢いが増しているか減っているか」です。OBVの形状と価格の形状を比較することで、ダイバージェンスや先行シグナルを読みます。
ダイバージェンスは「即反転」ではなく「準備段階」
価格が上昇しているのにOBVが下降している(弱気ダイバージェンス)は、買い出来高が伴っていない上昇を示します。ただしこれは「今すぐ反転する」ではなく「この上昇は出来高に支えられていない」という情報です。OBVのダイバージェンスが出てから価格が続伸することもあります。他の根拠と組み合わせて判断するのが基本です。
FXではtick volumeを使っている
スポットFXには中央取引所がないため、TradingViewで表示されるOBVはtick volume(価格更新回数)をベースにしています。主要通貨ペアではtick volumeと実出来高の相関が比較的高いとされていますが、完全に一致するわけではありません。傾向の確認ツールとして使い、出来高の絶対量は別途確認する意識が必要です。