インパルスMACD(Impulse MACD)は通常のMACDをそのまま売買シグナルとして使うのではなく、価格が高値・安値の平滑化レンジ内にある間はゼロに近づけてレンジ内のノイズを抑える改造型MACDです。
LazyBear本人のTradingView説明によれば「高値移動平均と安値移動平均の間にある値をフィルタリングすることで、横ばい相場にありがちなダマシを減らす」ものとされています。レンジ相場でMACDのクロスが頻発して往復びんたになる問題を、「バンド外に出たときだけシグナルを出す」設計で解決しようとしています。
(インパルスMACDを使い始めた頃、レンジ中の色変化だけでエントリーして負けが続いた。上位足のトレンドとセットで使って初めて機能すると気づいた)
計算の仕組み
標準設定は lengthMA=34、lengthSignal=9、価格ソースはhlc3(高値・安値・終値の平均)です。
- hi:高値のSMMA(平滑移動平均)= 上方向に抜けるべき平滑化上限
- lo:安値のSMMA = 下方向に抜けるべき平滑化下限
- mi:HLC3のZLEMA(ゼロラグEMA)= 遅れを抑えた価格中心
- md(インパルスMACD本体):mi > hi のとき mi-hi、mi < lo のとき mi-lo、それ以外は0
価格中心(mi)が高値・安値のSMMAバンド内にある間はmdがゼロになるため、単なる小さな揺れではシグナルが出にくくなります。これが「インパルス(推進力)だけを拾う」設計の核心です。
色分けの読み方
LazyBear版はライム・グリーン・オレンジ・レッドの4色で状態を示します。色はゼロラインとシグナル線(md のSMA)に対する位置関係を示します。
- 強い上方向色(ライム):上方向のバンド外に出た推進力が強い
- 弱い上方向色(グリーン):上向きだが勢いが弱い
- 弱い下方向色(オレンジ):下向きだが勢いが弱い
- 強い下方向色(レッド):下方向のバンド外に出た推進力が強い
実践的な使い方
通常のMACDとの使い分け
| 状況 | 通常MACD | インパルスMACD |
|---|---|---|
| トレンド相場 | 機能しやすい | 同様に機能 |
| レンジ相場 | クロスが頻発しダマシ多 | mdがゼロに近づきノイズを抑制 |
| 反応速度 | 標準的 | ZLEMAによりやや早め |
エントリー条件の組み合わせ
FMZのマルチタイムフレームMACD戦略が整理したロング条件:
- MACDがシグナルラインを上抜け
- ヒストグラム(sh)の上昇が十分
- ATRが最低ボラティリティ閾値を上回る
- EMA200フィルターを使う場合は価格がEMA200より上
色の変化だけでエントリーするより、ゼロラインより上・md > sb・上位足も上向き・価格が重要な抵抗帯を上抜けた後の押し目という条件を重ねるのが海外の改良版戦略に共通する発想です。
TradingViewで使えるImpulse MACDスクリプト
Impulse MACD [LazyBear] — オリジナル定番版(9,372ブースト)
LazyBear本人が公開したオリジナル実装です。高値/安値のMAレンジ内の値をフィルタリングして横ばい相場のダマシを減らした改良版MACDです。4色表示(Lime/Green/Orange/Red)でMidLineとSignalとの位置関係を色分けします。ゼロラインクロスまたはシグナルクロスで読む設計です。

Impulse MACD buy [OwlPixel] — SL/TP自動計算付き拡張版
☞ Impulse MACD buy by OwlPixel
LazyBear版をベースに、SL/TPの自動計算・バックグラウンドボックス(上昇/下降/ニュートラル)・デマンド/サプライバー強調・買いシグナルのグリーン丸マーク表示を追加した拡張版です。

インパルスMACDを使うときに知っておくこと
レンジ判別のフィルターとして使う
md がゼロ付近に続いているときは相場がバンド内にある(レンジ・方向感なし)状態です。この状態ではブレイクアウト系の戦略を控える判断に使えます。mdがゼロから離れ始めたタイミングがトレンド発生の可能性を示します。
パラメーターの調整
標準設定(lengthMA=34, lengthSignal=9)はLazyBearが設定した値です。短期売買では lengthMA を小さくする(例:20)と感度が上がりますが、ノイズも増えます。通貨ペアと時間軸によって最適値が異なるため、デモ口座で検証してから実践で使うことを推奨します。