ADX(Average Directional Index)はJ. Welles Wilderが開発したトレンド強度を測る指標です。DMI(Directional Movement Index)と組み合わせて使われることが多く、ADX/DMIとまとめて呼ばれることもあります。
ADXが示すのはトレンドの方向ではなく「強さ」です。ADXの値が高いほどトレンドが強く、低いほどレンジ(方向感なし)の状態です。+DIと-DIの2本のラインで方向を確認します。
FXトレーダーがADXを使う主な目的は「今がトレンド相場なのかレンジ相場なのか」の判断です。トレンドフォロー手法とレンジ手法を使い分けるためのフィルターとして機能します。
TradingViewで使えるADX/DMIスクリプト
TradingViewには標準のADX/DMIに機能を追加したスクリプトが複数あります。それぞれの特徴をご紹介します。
ADX Extreme Zones + Divergences — Larry Williamsの手法を実装
☞ ADX Extreme Zones + Divergences [tradeviZion] by TradeVizion
作者TradeVizion氏の説明より:「標準のADXラインを表示し、極端な読み値を別の色でハイライトし、オプションでADXと価格のダイバージェンスを描画します。Larry Williamsがトップ・ボトムのコンテキストとして指摘した2つのコンセプトを中心にしています:ADXの非常に高い読み値と価格/ADXのダイバージェンスです。
Larry WilliamsはADXをトレンド強度の測定値として説明しています。ADXが60を超える読み値は稀です。Larryはこれを重大なシグナルとして扱います:下落局面でADX > 60は絶好の買いエリアを示し、上昇局面では天井が近いことを警告します。
また、価格とADXのダイバージェンスも使います:価格が新高値をつけてもADXが新高値をつけない、または価格が新安値をつけてもADXが新安値をつけない場面です。」

ADXが極端な水準(デフォルト60以上)に達するとラインの色が変わり、BullまたはBearのラベルが表示されます。DI期間とADXスムージングはデフォルトでそれぞれ7です。
CHOP Filter — ADXとChoppiness Indexを組み合わせたフィルター
☞ CHOP Filter (ADX + Choppiness Index) by hedge2
作者hedge2氏の説明より:「ADXだけでは誤って有効なトレンドと判断してしまいチョッピーな環境でのエントリーを改善するために設計されています。通常のエントリーシグナルのフィルターおよびコンファームとして使うのに最適です。
- 緑:強いトレンド(ADXが閾値以上、かつChopが低い → クリーンなトレンド状態)
- 黄:ADXは強いがChopが高い(不安定または移行中の可能性あるトレンド)
- 赤:弱いトレンド・レンジ相場(ADX低 + Chopが高い)
このインジはADXとChoppiness Indexを組み合わせたハイブリッドインジケーターです。」

3色でトレンド状態を直感的に判断できます。「赤=レンジ」「緑=トレンド」「黄=注意」という単純な読み方ができるため、他のインジのエントリーシグナルの補助フィルターとして使いやすい設計です。
ADX/DI Histogram MTF — +DIと-DIの差をヒストグラムで表示
☞ ADX/DI Histogram [MTF Advanced] by MagicScripts
+DIと-DIの差をヒストグラムとして可視化するスクリプトです。マルチタイムフレーム(MTF)対応で、複数の時間軸でのDI方向の一致状態をパネルで確認できます。

AG Pro DMI Rotation Pressure — +DIと-DIのローテーション圧力を可視化
☞ AG Pro DMI Rotation Pressure [AGPro Series]
+DIと-DIのローテーション圧力(どちらが主導権を持っているか)をBull/Bear Rotationラベルで表示するスクリプトです。StateとLeaderの2つのパネルで方向感の強さを確認できます。

ADX/DMIの基本的な見方
ADXはトレンドの方向を教えてくれません。トレンドの「強さ」だけを示す指標です。方向は+DIと-DIで確認します。
- ADX 20以下:トレンドが弱い、またはレンジ状態。トレンドフォロー手法は機能しにくい
- ADX 20〜40:中程度のトレンド
- ADX 40以上:強いトレンド
- ADX 60以上:極めて強いトレンド。Larry Williamsの研究では、このレベルは長期的なトップ・ボトムのコンテキストとして注目される(ADX Extreme Zonesスクリプトの説明より)
+DIが-DIを上回っているときは買い方向のトレンド、-DIが+DIを上回っているときは売り方向のトレンドです。ADXが上昇しながら+DIが-DIを上回っている場合、上昇トレンドが強まっていると読めます。
CHOP Filterスクリプトの説明にある通り、ADXだけでは判断しきれないチョッピーな環境をChoppiness Indexと組み合わせて補完する手法もあります。ADX単体での判断に限界を感じる場合は、こうした複合フィルターを試してみるのも選択肢です。