インジケーター

NR7とOpening Range Breakoutの組み合わせ

日足NR7の翌日にロンドン時間の初動レンジを観察し、上位足トレンド方向にブレイクしたらエントリーする手法です。飛び乗りを避けて方向確認できる、NR7の実践的な応用を整理します。

目次

    NR7単体で使うと、どちらにブレイクするか分からないのが弱点です。 上下両方に逆指値を置いても、最初の動きがダマシになりやすい。

    そこで有効なのが、NR7をトリガーにしながらOpening Range Breakout(ORB)で方向を確認してから入る組み合わせです。 NR7の原型はCrabelのORB手法に由来しており、この組み合わせは理論的にも一貫しています。

    私がやってしまった失敗は、NR7の日にとりあえず両方向に逆指値を置く「ストラドル」作戦でした。 ロンドン開始直後に上方向の逆指値が刺さって喜んだ直後、5分後に反転して下方向の逆指値も刺さりました。 両方損切り、という結果です。(これが「ロンドンの流動性狩り」というやつでした) ORBで方向を確認してから入るルールにしてからは、この失敗パターンが減りました。

    NR7とは何か——まず定義から確認する

    NR7(Narrow Range 7)は、直近7本の日足のうち最も値幅(高値から安値の幅)が小さい日のことです。 ローソク足の高値と安値の差が、過去6本より小さければNR7の条件を満たします。

    具体的な確認手順:

    1. 日足チャートを開いて直近7本のローソク足を確認する
    2. 各足の値幅(高値マイナス安値)を計算する
    3. 今日の値幅が7本の中で最小ならNR7

    TradingViewでは「NR7」で検索するとインジケーターが見つかります。 自動でNR7の日をマークしてくれるので、手計算しなくて済みます。

    Opening Range(ORB)の定義

    Opening Rangeとは、特定の時間帯開始後の最初の15〜60分で形成される高値と安値のレンジです。 このサイトでの運用では、ロンドン時間の開始(日本時間夏15:00、冬16:00)後の30分を基本とします。

    なぜロンドン時間かというと、欧州の大口参加者が本格的に動き始める時間帯だからです。 この30分で形成された高値・安値は「欧州勢が今日の値動きの基準にする価格」として機能しやすいです。 ここを上下どちらにブレイクするかが、その日の方向感を示します。

    なぜこの組み合わせが機能するか

    日足NR7が出た翌日は、ボラティリティが拡大しやすい状態です。 でも「どちらに」拡大するかは、NR7の時点では分かりません。

    ロンドン時間の開始は、欧州の大口参加者が本格的に動き始める時間帯です。 ここで形成された初動のレンジ(Opening Range)を上か下に抜けた方向—— これが「欧州勢が今日どちらに向けてリスクを取り始めたか」を示します。 NR7の「値幅拡大の予告」と、ORBの「方向確認」が組み合わさることで、 ダマシを大幅に減らせます。

    具体的なエントリーシナリオ

    以下は GBP/USD での例です。

    1. 前日(火曜日)の日足がNR7。値幅は45pipsで、直近6日の中で最小だった
    2. 水曜日の朝、日足・4時間足を確認。価格が200EMAより上なので買い優先
    3. ロンドン開始(夏時間15:00)から30分後の15:30時点で高値と安値をメモ
      • 15:00〜15:30の高値:1.2840
      • 15:00〜15:30の安値:1.2820
      • このレンジ(20pips)がOpening Range
    4. 15:32に価格が1.2841を上回り、ORBを上抜け確認
    5. 買いエントリー:1.2842(ブレイク確認直後)
    6. 損切り:Opening Range安値の2pips下=1.2818(損失幅24pips)
    7. 利確目標1:前日高値付近(1.2870付近)=28pips
    8. 利確目標2:日足ATRの50%達成付近=45〜50pips

    損益比は1対1〜1対2程度。NR7後の拡大で方向が出れば、2倍以上になることもあります。

    損切り位置と利確目標の設計

    損切りはOpening Rangeの反対側(上にブレイクしたならORB安値の少し下)に置きます。 具体的には、ORB安値から2〜5pips下が目安です。

    利確目標は複数の基準を組み合わせます。 日足ATRの残り値幅(その日にまだどれだけ動けるか)を先に確認します。 たとえば日足ATRが80pipsで、ORBブレイク時点の当日値幅がすでに60pipsなら、 残り約20pips分しか余地がないため、大きな利確を期待しにくいです。 前日の高値・安値、週次の重要水準、1R・2Rの倍数——これらを組み合わせて分割利確します。

    失敗後の再エントリー(1回限定)

    最初のORBブレイクが失敗して損切りになっても、上位足の方向が崩れていなければ、 2回目だけ再エントリーを許可します。 たとえば上方向にブレイクして損切りになった後、価格が再び前日高値やORB上限付近で抵抗するなら、 2回目のブレイクを検討できます。 ただし、2回目も失敗したらそのセットアップは終了。 同じ局面での3回目エントリーは禁止です。

    指標前・指標発表日のNR7は別扱い

    重要指標(NFP・CPI・FOMC)の前日に出たNR7は扱いが変わります。 発表直後のスプレッド拡大と滑りが大きく、ORBのルールが崩れやすいです。 発表後5〜15分待って初動の高安が固まってから、再ブレイクする方向だけを狙います。 または、指標前後のNR7はスキップするルールを持つことも選択肢です。

    向いている通貨ペアと注意点

    GBP/USD、GBP/JPY、EUR/USDなど、ロンドン時間に動きやすいメジャーペアで機能しやすいです。 XAU/USD(ゴールド)もロンドン・NY時間に大きく動くため相性が良いです。

    EUR/GBPのように平均値幅が小さい通貨では、スプレッド分の摩擦が大きくなりやすいため注意が必要です。 また、日本時間の夜に取引がピークになる通貨ペア(例:USD/JPYの日銀政策絡みの動き)は、 ロンドンORBとの相性が弱い場合があります。ペアの動きやすい時間帯を先に確認してください。

    「時間決済」のルールを持つ

    NR7 + ORBは値幅拡大を狙うセットアップです。 ブレイクから4〜6時間経っても方向が出ない(含み益がほとんど増えていない)なら、 前提が弱いと判断してニューヨーク後半(日本時間夏3〜4時頃)までに手仕舞う。 この「時間決済ルール」を持つと、塩漬けを防げます。

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