アジアキルゾーン(Asian Kill Zone)は、ICT系の概念で、ニューヨーク時間の19:00〜22:00(一部ソースでは20:00〜22:00)に相当するアジア市場の立ち上がり時間帯を指します。InnerCircleTrader.netは19:00〜22:00 NY時間、TradingRageは20:00〜22:00 NY時間と整理しています。
ロンドンやニューヨークと根本的に役割が違います。アジアキルゾーンは「大きく稼ぐ時間」ではなく、静かな流動性を読みながら翌セッションの地図を作る時間です。USDがコンソリデーション(方向感なし)しやすく、AUD・NZD・JPY関連のクロス通貨が相対的に動きやすい時間帯です。
(最初は「東京時間だからドル円を見ておけばいい」と思っていた。アジアキルゾーンを意識してから「AUD/JPYやNZD/JPYの方が動いている」という感覚が身についた)
アジアキルゾーンの2つの使い方
使い方①:クロス通貨の短期スキャル
AUD/JPY・NZD/JPY・AUD/NZDなどのクロス通貨で15〜20pips程度の短期値幅を狙う使い方です。USDが静かな時間帯なので、USDを含まないクロスの方が独自の動きをしやすいです。
- AUD/JPY・NZD/JPY:豪州・NZ関連の材料で動きやすい。アジア時間に最も適したペアの一つ
- AUD/NZD:豪州とNZの相対強弱を読む。ボラは小さいが方向性が出やすい日がある
- USD/JPY:日本の金利・株式・日銀関連材料がある日は動きやすい。ただしUSD停滞の日はレンジになりやすい
使い方②:翌セッションの流動性マップを作る
アジア時間に形成される「Asian High / Asian Low」をマーキングしておく使い方です。これはロンドン開始後のJudas Swing(流動性狩り)のターゲットになりやすいです。
- きれいな形のAsian Rangeが形成された日:Londonで上か下のどちらかが刈られる可能性が高い
- 同値高値(Equal Highs)・同値安値(Equal Lows)が形成された場合:その価格帯に注文が集まっているサイン。翌セッションでのスイープ候補
- Asian RangeがタイトなほどLondonのブレイクが大きくなりやすい(エネルギーが蓄積している)
取引に向く通貨ペアと向かない通貨ペア
| 優先度 | 通貨ペア | 理由 |
|---|---|---|
| 高 | AUD/JPY・NZD/JPY | アジア・オセアニア通貨の短期強弱。動く理由がある時間帯 |
| 中 | AUD/NZD・AUD/USD・NZD/USD | 低ボラ環境でのレンジブレイク狙い。スプレッドに注意 |
| 中 | USD/JPY | 日本材料がある日は動きやすい。普通の日はレンジ |
| 低 | EUR/USD・GBP/USD | アジア時間は原則レンジ確認用。伸びにくくダマシが多い |
| 条件付き | GBP/AUD・GBP/JPY | 動けば値幅は大きい。スプレッド拡大・急変動に注意 |
見送る条件
BabyPipsも指摘する通り、アジア時間の特性を無視してセットアップだけ見てエントリーすると往復びんたになりやすい局面があります。以下の条件が揃う日は積極的に取りません。
- DXY(ドルインデックス)がアジア時間に活発:USD停滞の前提が崩れている。EUR/USD・GBP/USDで通常と違う動きをする
- RBA(豪州中銀)・RBNZ(NZ中銀)の政策発表がある日:AUD・NZD系ペアが急変動するリスク
- 日銀介入の警戒感が高い日:JPY関連で通常の分析が機能しにくい
- Asian Rangeが狭すぎる(5pips未満程度):流動性が薄すぎてセットアップが成立しにくい
- スプレッドが普段より大幅に広い:流動性の欠如。エントリーしても不利
アジアキルゾーンの実践チェックリスト
- 今日の経済指標スケジュールを確認する(RBA・RBNZ・BOJ・重要米国統計)
- DXYの動向を確認する(アジア時間に活発かどうか)
- 狙う通貨ペアを選ぶ(AUD/JPY・NZD/JPY優先。理由のあるペアだけ)
- 上位足(日足・4時間足)のバイアスを確認する
- 前日高安・Asian Range候補をマーキングする
- キルゾーン時間帯(NY 19:00〜22:00)でのみセットアップを探す
- 取れなければLondonのJudas Swing候補としてAsian高安を記録する
日本時間換算の注意
米国夏時間(3月第2日曜〜11月第1日曜)と標準時間で換算が1時間ずれます。
- 夏時間(EDT):NY 19:00 = 日本 翌08:00、NY 22:00 = 日本 翌11:00
- 標準時間(EST):NY 19:00 = 日本 翌09:00、NY 22:00 = 日本 翌12:00
TradingViewでセッションインジケーターを使う場合も、基準をNY時間(ニューヨーク現地時刻)に設定することが最も安全です。日本時間で固定すると夏冬の切り替えでズレが生じます。